クローバーシャツ開発物語

あれは7年前、ある塾での受験写真撮影会。

その当時はまだシャツのレンタルはなくブレザーのみでした。

一人女の子が撮影会がもう終わろうとする頃、携帯で電話していました。

その女の子は、お母さんに電話しているらしく

「みんな卒業式みたいな恰好で撮ってるよ、どうしよう。」

と泣きそうな声が聞こえてきました。

しばらくして、こちらにやってきた女の子は

目に涙を浮かべながらも毅然として

「母が本日の事を忘れていて、お金がないんですが、撮ってもらえますか？」

と聞いてきました。

「もちろんいいですよ。あとでお母さんにお電話しますね。このブレザーは使いますか？」

と聞くと女の子は「お願いします」と言って上着を脱ぐと、大きなキャラクターのプリントされた

Ｔシャツが出てきました。

女の子「このシャツ大丈夫でしょうか？」

私「大丈夫だよ」と笑顔を作って答えました。

女の子を安心させられるような自然な笑顔が作れていたかわかりませんが。

本人もそのがらを気にしながらもその上にブレザーをきて撮影を進めました。

もちろん写った写真のブレザーの間の胸元にはそのキャラクター顔をのぞかせていました。

・・・

まだ、フィルムで撮影していたので修正もできませんでした。

この時の女の子にもっと何かしてあげらることはなっかたのかという悔いが残りました。

この経験から誰でも着られるシャツを作ろうと

現在の簡易ワイシャツを考えだしました。

私がノートに簡易ワイシャツの絵をかいて女性のスタッフに

「これ作ってほしいんだけど、どう思う？」

と聞いても、笑ってはくれましたがとりあってはくれませんでした。

ですので試作品第１号は近所の洋服リフォーム屋さんに図面を持ち込み

作成したものでした。

実際に使ってみるとお客様からの評判も良く、

今ではスタッフも喜んで作ってくれるようになりました。

あの女の子はどうしているでしょうか？

今でも、女の子の「撮ってもらえますか？」といったあの時の表情を思い出します。

お客様には安心して写真を使ってもらいたい。

困ったことは解決し、ベストな撮影ができるよう日々考えています。

写真の周辺の事で困ったことはお気軽にご相談下さい。

これからも皆さんを応援できるカメラマンとして頑張っていきたいと思います。